イチロー選手の引退会見に思うこと
流れるようなスイング、風の如く通り抜ける走塁、“レーザービーム”と称される送球、メジャーリーガー・イチロー選手の数々の華麗なるプレーに度々目を奪われた方も少なくないのではないでしょうか。
そんなイチロー選手が3月21日に現役引退を表明しました。「2019 MGM MLB日本開幕戦」第2戦(東京ドーム)のテレビ中継で最後の勇姿を見守りながら、イチロー選手のこれまでのプレーに思いを馳せ、感極まった方もいらしゃったと思います。日米合わせて28シーズンで生み出した通算4367安打はギネス記録だそうで、日本人がメジャーリーグで活躍する姿は、野球少年だけでなく全ての日本の人々に大きな勇気と夢を与えました。
そんなイチロー選手の引退会見で印象に残っているのが、弓子夫人への感謝の言葉を度々口にしていたことです。会見で弓子夫人への思いを聞かれ、「1番頑張ってくれたと思います」と労っています。会見では、弓子夫人がゲームの前に食べるおにぎりを作ってくれたエピソードを披露していましたが、実際にはおにぎり以外にもさまざまなことで弓子夫人はイチロー選手を支えていたのでしょうね。そうでなければ、「1番頑張ってくれたと思います」という発言は出ないと思います。
そんな弓子夫人の“内助の功”をさらに示すイチロー選手のコメントが「我慢が苦手で楽なこと、楽なことを重ねているっていう感じなんですね」ではないでしょうか。体を動かすのを我慢する以外は、ストレスがないように行動してきたという主旨のことを語ったのですが、弓子夫人が料理をいろいろ考えてくれたという家でのエピソードからも、弓子夫人がいかにイチロー選手が野球に集中できる環境作りに努めていたかが伺えます。
普通に会社勤めをしているサラリーマンでは、会社でのストレスはもちろんありますし、家庭でもストレスがゼロということはないでしょう。仕事が忙しくて家事が疎かになり、また、夫婦や恋人同士が過ごす時間がなくなれば、妻(彼女)から不満の1つや2つ飛び出しそうな気がします。夫婦の場合は、お互いの仕事や家事に対する思いがすれ違い、それぞれの思いが不倫相手や水商売の女性へと向いてしまうことも少なくないようです。
夫婦(恋人同士)でお互いの存在がストレスにならないためには、お互いが理解し合える目的・目標の共有が大切でしょう。イチロー選手の場合は、夫婦が「野球」という同じ目標によって強く結び付いている(いた)のではないでしょうか。2人3脚とでも言いましょうか。イチロー選手は野球で“好プレー”をすること、弓子夫人はイチロー選手に“好プレー”をしてもらうこと、が目標だったのでしょうね。弓子夫人は、イチロー選手の高い志と夢に心動かされたのだと思います。
みなさまは、異性のパートナーに語れる夢や目標をお持ちですか?
また、異性のパートナーは、心が打たれるような夢や目標を語る人ですか?
「全くない」という方はいないでしょう。
人生は選択の連続であり、振り返ってみてその選択の裏側には必ず欲望や夢があるはずです。
「快適な時間が過ごせる家に住みたい」
「お金持ちになって悠々自適な生活がしたい」
「美味しいものをお腹いっぱい食べたい」
「人に影響を与えるような仕事がしたい」
など、パートナーが共感し一緒に取り組める目標であれば何でも良いと思います。そこへ向かう過程で起こる苦悩や辛さがあっても、目標達成という喜びがあれば、夫婦(恋人同士)で一緒に乗りきれるのではないでしょうか。