怒りの炎は入念な消火準備とともに使用する
恋人の気にくわない行動に対して、「言わなければ気がすまない」。こんな風に感じ、その感情に身を任せて行動してしまいますと、一方的に「どうしてあなたはこうなんだ!」と、怒りや不満をぶつけることとなります。そして、この時の恋人の想定される反応は、萎縮して頭を下げるか、無視するかのように無反応で聞いているふりをするか、激昂して言い返すか、のいずれかではないでしょうか。
結果として萎縮させても無視させても反論されても、関係は悪くなっているわけですから、自分の感情は解き放てても、恋人をはじめとする身近な関係の人々に蓄積した不満などの負の感情は、やがて破局や反撃となって自分に返って来ます。
ここで人に何かを伝える時は、相手の立場に立つという基本に立ち返ってみましょう。こういうことを言いますと、怒ることはNGで常に穏やかに接することが正解と考える方もいらっしゃるかも知れませんが、要は使い方次第だと思います。例えば、浮気をしない、という約束を破って恋人が浮気をしたとしましょう。この時は、浮気をされた、裏切られたという怒りの感情をそのままぶつけるというよりは、約束を破った、という事実に対して指摘するほうが、相手本意であり、筋が通っていますよね。
そして、忘れてはならないのは、怒った、叱った後のフォローでしょう。人にもよりますが、ネチネチくどくど言うのではなく、後はさっぱりきれいに水に流し、長所や普段の感謝を伝えることで、後ろ向きになっていた気持ちがより前向きになってくるのではないでしょうか。1つの怒りや叱りに対して3倍くらいのフォローが理想かと思いますので、怒りや叱りのスキルというよりも、褒めのスキルやポジティブな視点のほうがむしろ重要です。怒りや叱りといった“火薬”を用いる際は、称賛、激励、受容、傾聴、支援などフォローのための“消火”や“救援”に当たる言葉や行動の入念な準備が必要なことは言うまでもないでしょう。
(記事:スタッフ)