人の愛や時間を得ようとする時、何を先に差し出しますか？
愛や時間などの“資源”は実際目には見えませんが、仮に見ることができたとしましょう。そして、目の前の人が、右手に愛を左手に時間を持っていたとしまして、どうすれば、それを受け取ることができるのでしょうか。
無理に奪おうとすれば、愛や時間は限られていて大切なものなので激しく抵抗し守ろうとするでしょう。強奪したとすれば、必ずそれらを取り返そうとするか、奪われた以上のものをあなたから奪おうとするかも知れません。
世の中は、人が持っている愛や時間を手に入れるため、多くの人がどうすれば人から奪えるかを考え、そして時に過剰とも言える争奪戦が起きています。ただそういった争奪戦の先にあるものは、勝ち負けの人間関係であり、負けたほうは喪失感から常に飢えている状態と言いますか、人から無くしたものを奪える機会を常に伺っているという人も少なくないでしょう。勝ったほうとしましても、人間関係は常に悪化していきますので、人が離れ、結局乏しい人間関係の中をさまよい歩いていく人生からは抜け出せないでしょう。
人が手に持っているものを得ようとする時、進んで手放してもらうためには、何かをこちらから先に差し出すことを忘れてはいけません。人は何か価値を認めるものを手にしようとするならば、今現在持っているものを手放すしかないわけですからね。
この価値と価値の交換こそが人間関係の本質であり、交渉の基本なのだろうと思いますが、現実は相手には何かを求めるけれども、自分は何も差し出さない人が多いと感じています。そういうことを踏まえますと、対人関係の最も大きな強みは、相手が望むものを知っていて、それを提供できる力があることと言えそうですね。
（記事：スタッフ）