恋愛成功の秘訣は手法や技法が全てなのでしょうか?
「あの人はトークが上手だから」
「人柄が素晴らしい」
「人に対して圧迫感がなく親しみやすい」
ある営業で優秀な成績を収める中年営業マンは、周囲から仕事で成功している理由をそのように分析されていました。グループミーティングでは、同僚からどのようにして顧客にアプローチしクロージングしているのか、その手法、技法について質問攻めに合い、聞かれた質問に対して、惜しみなくその方法を披露しましたが、彼に匹敵する成績をあげられるセールスパーソンは出ることがなかったといいます。
なぜ彼のトークや顧客とのよい雰囲気作りなどの手法、技法を真似たにもかかわらず他のセールスパーソンは彼同様の成績をあげることができなかったのでしょうか。これは、仕事に限らず、恋愛、スポーツなどあらゆる物事に共通することと思うのですが、手法や技法こそが成功するための最も重要なポイントである、という思い込みから来ているのでしょう。つまり、多くのセールスパーソンは、彼がうまくいっている本質的な理由に気付いていなかったことになります。
仕事でも恋愛でも、成功者と呼ばれる人にその秘訣を学ぼうとする時、手法や技法に感心が行き勝ちです。そのことについて質問し、真似ようとするのですが、大半は同じような成功を収めることができません。いったい何が違うのかを考える時、手法や技法は成功するために必要ではあるが、それが全てではなくもっと重要なポイントがあるということでしょう。
冒頭のセールスパーソンは、グループミーティングで同僚に質問攻めにされた後、誰にも聞こえないような小さな声でこう呟いたと言います。「僕がもし、トークがうまく人柄のよさや親しみやすさで契約が取れるなら、朝から晩まで1日10時間近く動き回る必要はない」と。
圧倒的な行動量と努力量は、自分自身の成果を維持するために不可欠な要素と言えるでしょう。行動と努力なくして手法、技法で乗り切ろうとしたところで、人の能力にそこまで大差がないことを考慮しますとたかが知れているのではないでしょうか。いろいろな意味で圧倒的な“数”や“量”を確保するためには、時間や苦痛、忍耐という代償を支払い、ひたすらに努力していくしかないのかも知れません。手法、技法ももちろん大事でしょうが、人から学ぶ時、その人の行動や時間の使い方にそ成功の大きなヒントがあるように思います。
(記事:スタッフ)