コミュニケーションの本質は“心の開示”です
「人から好かれたい」
「自分のことをもっとわかって欲しい」とは、多かれ少なかれ誰もが抱く思いでしょう。特に意中の異性となりますと、そういった思いが強まって「とにかく自分をよく見せなければ」「自分がいかに有能かを知ってもらおう」という心理が働き、会話にも熱が入ることでしょう。
ただ思いますのが、コミュニケーションの目的を勘違いされている方が多いのではないかな、ということです。自分の長所や有能さを熱弁し相手に伝えることができれば、相手は自分のことを好きになってくれるのか、を考える時、これはある意味では正解ですし、ある意味では間違いであると言えるのではないでしょうか。
例えば、ユーモアやお笑いのセンスがあればモテると思われている方が多いと思いますが、テレビや動画サイトでお笑いに関するものを視聴する時というのは、笑いたい気分の時です。言い換えるならば、笑いたくない時にはユーモアやお笑いは不要という考え方もできるでしょう。つまり、相手が自分の長所や有能さについて知りたいと思った時に自分自身について語ることは効果的でしょうが、無関心の時は“押し売り”になるケースも否めないでしょう。
対人コミュニケーションでまず心掛けなければ、相手にどんなニーズやウォンツがあるのか、ということではないでしょうか。自分のことを語りたいのか、こちらの話を聞きたいのか、です。ここで誰もが持っているニーズは、「自分のことをわかって欲しい」です。本音を語りたがらない人もいますが、これは、自分の本音をさらけ出すに値する人物かを試している段階と考えてください。
本音をさらけ出してもらう、そして心を開いてもらうためには、相手に対して気付くことです。この相手に対する気付きを印象付けるキーワードが、傾聴や観察から得られる相手に関する情報の尊敬、称賛、受容、理解ではないでしょうか。コミュニケーションの本質は、“押し売り”ではなく心の開示であることを今一度確認することを推薦します。
(記事:スタッフ)