「かっこいい」生き方について考えてみましょう
かっこいいorかっこ悪い
この基準は人それぞれだと思いますが、英語では「かっこいい」の意味として「COOL」(涼しいの意)を使うことがあります。日本でも、誰もできないようなパフォーマンスをさらっとやってみせる、抜群のスタイルで洗練されたファッションに身を包むなどの際に、涼しい余裕の顔で勝ち誇る、圧倒的な力の差を見せつけるといった意味も含めて「COOL(かっこいい)」と称されることが多いのではないでしょうか。
そういうことを踏まえますと、男性女性問わず、恋愛や仕事もできればそつなくこなせる(要領よく、失敗することなくやっていける)ことが理想と考えるかも知れませんね。そして、もしそつなくこなせないとなると、自分自身にとっても他人から見られるにしても「かっこ悪い」と考える方も多いのではないでしょうか。「恋人や家族にかっこ悪い姿を見せられない」「失敗して下手くそでもがいている姿なんてダサい」「自分は自分の威厳やプライドを保つためにも、常に涼しい余裕の顔で生きていたい」と思うならば、自分の限界に挑むような物事に挑戦することも当然ないでしょう。
例えば、少々極端な話になりますが、あなたが気の進まない異性から結婚を申し込まれたとしまして、二人だけでデートするのも嫌なので、人が大勢いる公園で面会したとしましょう。この時に「もしよかったら結婚してくれないか」とさらっと笑顔を言われるのと、涙を流し、土下座しながら「お願いだから結婚して欲しい」と言われるのでは、受ける言葉の重みが違うのではないでしょうか。前者は「ごめんなさい」とさらっと断れそうですが、後者は「うーん、そこまで思ってくれるなら」と熱意に押され、考え直してしまうケースもなくはないと思います。
何が言いたいのかといいますと、本気度というのは、人からどう見られるか、まだまだ余裕があるという状況では、なかなか伝わらないということではないでしょうか。人から見ても自分から見ても「もう限界でこれ以上のことはできない」という境地に達した時、それはもう「COOL」とは無縁なのですが、言葉ではない何かが相手の心に伝わるでしょう。そういう意味で考えますと、「かっこいい」という概念そのものを考え直さなくてはいけないかも知れません。
(記事:スタッフ)