挑戦する勇気と撤退する臆病さを併せ持つ
「勇気がある」の反対の意味は?
「臆病である」と使われることがあります。恋愛でも「(勇気を出して)告白する」「デートに誘う」「手を繋ぐ」「本音を聞いてみる」「意見する」「恋敵(ライバル)に挑む」など、勇気があることはプラスのこととして認識されているケースが多いのではないでしょうか。踏み出したいと思っているけれどもなかなか1歩が踏み出せない時、最後に背中を押してくれる存在がその人物のうちにある勇気ということになりそうですね。
一方で臆病はどうでしょうか。1歩踏み出したいと思っていて1歩踏み出せない時、その1歩を踏み留まらせるネガティブな感情や恐れなどマイナスの要因と捉えられる傾向が強いように感じます。
恋愛に限らず、仕事や勉学などで失敗を恐れず勇気を持って挑戦することは、自分を成長させるため、上のステージへ行くために必要なことです。自信家、挑戦意欲・好奇心が旺盛、自分を追い込むのが得意という方ほど、あらゆることや目の前の問題に挑戦してみよう、取り組んでみようと思われ、実際にも行動に移し、粘り強く頑張られています。
ただ離婚裁判、不倫、DV(ドメスティックバイオレンス)、ストーカーなどの恋愛トラブルのさまざまな事案を見ていますと、この勇気のおかげで恋愛がよくない方向よくない方向へ向かっているのではないか、というケースも伺えます。「今の自分のやり方で必ずうまくいく」という信念のもと、誤った行動を繰り返していると、待ち受けているのは破局であり破滅です。どこかで撤退し新たな方法を考えてみる、行動を軌道修正する作業が必要なのですが、「正しい」という思い込みと過剰ともいえる勇気があれば、猪突猛進のごとく突っ走ってしまいます。
矛盾した言い方かも知れませんが、勇気と同等に求められるのが撤退する、手を引く臆病さです。行ったことのない道を進んでみて、間違っている、危ないな、と感じれば、スタート地点に戻って考え直してみる引き返す勇気を持つことです。さまざまなことに挑戦してみる、試してみるのはよいのですが、成果が伴わない、効果が薄い行動は直ちに改めなければなりません。「せっかくここまで来たのだから」「このやり方でやって来たのだから」と退くことをためらう方がいらっしゃいますが、気付いた時点で早めに引き返さないとどんどん迷い込んでいくだけです。挑戦する勇気と撤退する臆病さは、同等とまではいかずとも、併せ持っていることに越したことはないということでしょう。
(記事:スタッフ)