恋敵との長期戦や別れさせには“プル戦略”
ペットボトル入りのコーラ、お茶、水。
どれもスーパーマーケットやコンビニには必ずと言ってよいほど置いてある商品ですが、昭和初期の日本では、どこへ言っても売っていなかったし、そういったものがあったとしても誰も買おうとしなかったのではないでしょうか。
それはいったい何故なのか?
コーラのような黒色の飲料は見慣れない人に奇妙ですし、水やお茶はわざわざ買わなくても自前で調達できます。そんなものにお金を払うなんてバカバカしい、という風潮だったのではないでしょうか。
では、令和の現在はどうしてコーラ、お茶、水が日本で浸透しているのか?
それは年月が移り変わるうちに人々がその美味しさや便利さを認めたからでしょう。言うまでもありませんが、物事のよい、悪いはその人の解釈次第です。コーラやお茶や水のように、良い側面をうまくアピールし続ければ、人々のイメージが180度変わる場合があるというよい例です。
販売されているコーラやお茶、水を飲むことを強要される、押し売りされるわけでもなく、人々はいつの間にかそれを購入して飲むことに抵抗がなくなってしまいました。この理由として、繰り返し流れるテレビCMと街の至るところで見掛ける自動販売機の存在があると思います。何度も目にするうちに無意識にその良さが刷り込まれ、非日常が日常に変わっていくということ。意識して言われてみないと誘導されていることに気付いていない人も多いでしょう。
これは恋愛にも通じることで、いつも身近にいるけれども、強引にアプローチしてくるわけではなく、困った時にいつも助けてくれる、役に立つ人というのは、人の潜在意識の中に入りやすく、やがては特別な感情を抱いてしまうという例が少なくありません。弱火でも時間が経てば水が沸騰するように、少しずつ気持ちが温まっていき、気が付けばドキドキが止められなくなっているという恋愛を経験したことがある方もいらっしゃるでしょう。この無意識のうちに恋愛感情を植え付けてしまう方法は、恋敵(ライバル)との長期戦、もしくは別れさせを考える時の戦略として有効です。
狙った異性をピッタリと身近な親友のようなポジションでマークし、目立ったアプローチはせずに聞き役やサポートに徹していると、やがてその異性と恋敵に距離ができることがあります。そこで、自分がいかに望みに応えられる人物であるかを普段から示しておけば、自動販売機やコンビニなどでコーラやお茶、水が売れるが如く、異性のほうから勝手に求めるようになるのです。
こういった相手の潜在意識の印象に自分の魅力を訴える戦略をプル(引きの)戦略とマーケティングの世界では言います。こちらから動くのではなく、時には、相手が動きたくなる動機を与え、相手が動くのを待つという忍耐強さも必要でしょう。
(記事:スタッフ)