貧しい青年にベンツを売った販売員の話

 勝てる恋愛テク

■ 見た目で判断しないこと
ベンツのショールームといえば、モーターショーさながらのスタイリッシュで高級感あふれるきらびやかな店内。実際に車に乗らずとも、そこにいるだけで非日常的な空間に身を置いているような感覚にとらわれるのではないでしょうか。

そんなセレブな場所に破れたジーンズにヨレヨレのTシャツ姿。免許取り立ての19歳の青年が現れたとしたら。みなさまがベンツの販売員だったらどうするでしょうか。他の資産家やセレブ妻の対応に回り、青年にはまともに取り合わないかも知れませんね。

あるベンツのショールームに勤める30代の男性販売員は、そのような青年が訪れた際、進んでショールームを案内し、ベンツの魅力を語り、当然青年はベンツを購入しませんでしたが、きちんとパンフレットを手渡して、青年の姿が見えなくなるまでお辞儀で見送りました。聞けば、青年は当時、月の家賃が2万円台のアパートに住み、毎日のご飯を食べていくのがやっとの経済状況だったそうですが、男性販売員は、毎月のようにダイレクトメールを送り続けたといいます。

結論から申し上げますと、男性販売員は、青年にベンツを売ったのですが、こう聞けば、支払い能力があると思えない青年にどうやって高額なベンツを売ったのか気になりますよね。ポイントは、男性販売員は、青年にすぐにベンツを売ろうとはしなかったということです。19歳だった青年は、やがて20代半ばになったあたりでビジネスで頭角を現し始め、20代後半に月収が100万円を超えるようになったところで、車を買おうと思い立ち、今度は大金を握りしめてその販売員のもとを再び訪れるに至ったのです。

営業と恋愛は似ているとは言われますが、人生や人との出会いにはタイミングがあり、自分が求める時に、その求める能力を持った人物がすぐに目の前に現れるとは限りません。むしろ、そういったことが起こるのは、奇跡に近いと言ってよいくらい人と人はすれ違うものと思います。そのすれ違いをなくす方法が、人との出会いについて長期的視点に立つということでしょう。多くの人は今、目の前にいる人物の姿だけを見て「あの人はダメだ」「かかわるメリットがない」と切り捨てます。ですが、本当にそうでしょうか。今がダメでも、将来の可能性がない、とすぐに見切りをつけるのば時期尚早ではないでしょうか。

みなさまは、今がよければそれでよい、と思うタイプですか?それとも、将来もっとよくなりたいと思うタイプですか?いずれにしましても、今ダメなことは今何とかしようとしましても無駄なわけでして、将来どうやったら自分の思いを実現できるか、という点に着目して今を生きていかないことには、人も状況も好転させることは難しいでしょう。
(記事:スタッフ)

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