健康や恋人を維持するための自制力
人の欲求や望みについて考える時。
今得られている、手中にあるものについては当然欲しい、望みを叶えたいとは思わないでしょう。そして、今得られていないもの、手中にないものを求めて、大きく手を伸ばして掴もうとするかも知れませんね。ただここで気を付けなくてはいけないのが、何かを掴もうとして手を広げる時というのは、元々の手中にあったものを一瞬手放すことに他ならのではないか、ということです。
例えば、普段健康な生活を送っていますと、健康であることが当たり前になっていますので、健康を手に入れているという実感や意識はないと思います。ですので、飲酒、タバコ、ジャンクフードをはじめ快楽的感情が満たされるものに心が惹かれますと、躊躇せず、それらに手を伸ばし存分に堪能するのではないでしょうか。そして、肥満や生活習慣病などでそれまでの健康な体を失ってはじめて健康を失ったということの重大さに気付き生活習慣を改めたものの、時すでに遅しで健康だった時の体には戻らないというのが現実でしょう。
恋愛ではどうでしょうか?
恋人がいる時は、そこに恋人がいて当たり前と思っていたけれども、いざいなくなる、いなくなってみて、とんでもなく恋しい気持ちになった、よりを戻したいという方、結構いらっしゃるようです。恋人同士の時は大して気にも留めていなかったが、いざ別れ話となった途端に焦ってそれまでのぞんざいな扱いをフォローしようとしたところで、恋人の気持ちが離れ切ってからでは効果は薄いでしょう。恋人の心が離れる前の対応が重要で、離れてからでは打つ手は限られています。
何が言いたいのかと言いますと、現在手中にあるものは未来も必ず手中にあるとは限らないこと。手にしているものを維持し続けるという強い意志、将来も持ち続けるという目標を持たない限り、他のものに手を伸ばして簡単に今あるものを手放してしまいます。つまり失ったらどうしようという危機感を抱く、将来を見据えた時にはじめて自制が働くようになると言えそうですね。
健康や恋人など大切なものを失ってからでは遅く、失う前に何か手を打つ事前対応こそが、全ての鍵なのですが、そういうことを普段から意識して考える、取り組む機会を設けることが大切でしょう。
(記事:スタッフ)