真の幸せについて考えてみましょう
「幸せになりたい」
こう願わない人はいないと思いますが、では、幸せとはいったいどんな状態なのでしょうか。恋人に愛されていると感じることなのか、それとも欲しいものが何でも手に入るほどの財力を持つことなのか、はたまた五体満足で健康に暮らすことなのか。人によって幸せの基準はさまざまと思います。
思い返してみますと、「今幸せ」と思う瞬間というのは、前よりも状況がよくなったと感じた時ではないでしょうか。例えば、雪がコンコンと降る中を歩いて帰宅し、冷えきった体を湯気が立ち上る湯船に浸けた時。普段カップラーメンばかりの食生活を送る中で、異性に温かいご飯、スープ、サラダ、ハンバーグなどの手料理をご馳走になった時。10年間恋人が欲しいと思い続けてやっとできた恋人と過ごすクリスマスイブなど、過去の辛い経験と比較して今がよければ、「今幸せ」となりますよね。
逆にですが、昔はお腹いっぱいまで食事が食べられたのに今は経済的理由から食べられなくなった、実家を出て一人暮らしを始めて食べる質素な食事、好きだった恋人と別れて過ごす始めてのクリスマスイブなどは、「あの時は幸せだった」となるのではないでしょうか。幸せとは、その人物がどんな経験をしてきたのか、や周囲の人・状況との比較で感じる主観的な心理状態という側面もあるでしょう。
日本では、不幸と感じる人が増え、最近は新型コロナの影響もあって自殺者も増加に転じているそうですが、これは自分だけが不幸で周りは幸せに違いない、という自虐的な思い込みに端を発している人も少なくないでしょう。過去や現在、自分と他人を比較して感じる幸せは、「幸」から「一」が抜けると「辛」になりますように極めて危ういものと思います。
では、人生が比較だとするならば、安泰や平穏の日々が訪れる日は来ないのかと言いますと、これは違うと思います。今の自分が恋愛や人生の成功や失敗も、幸も不幸も全て乗り越えて、辿り着いた境地がある。何が幸せで何が幸せではない、という基準のようなものが年を重ねるごとに明確になってきているとするならば、人生のゴールはもうすぐそこに見えているのではないでしょうか。幸せになりたいという願望は、日々の実践と経験、そして成長の糧へと変わり、そうして掴んだ成功(Success)の先に真の幸せ(Happiness)が待っているのかも知れませんね。
（記事：スタッフ）