女性を救った3文字の言葉
「き・れ・い」
度重なる肉体的疲労と精神的ストレスで折れそうになっていた女性の心。この心を支えたのは、この3文字の言葉でした。手足などが不自由な要介護患者の診察や処置、リハビリ、入浴・食事・排泄介助。話し相手まで生活全般を支援する訪問看護に従事する30代女性。現場の人手不足、エスカレートする患者の要求、精神疾患者による粗暴な振る舞いなどで心も体も毎日がギリギリの状態だったそうです。気を抜けば、押さえきれない感情が込み上げ…トイレに駆け込んで号泣することも。
そんな時、ALS(筋萎縮性側索硬化症)で発話も筆談も困難な50代男性が伝えてきた言葉。それが冒頭の3文字でした。ALSとは、自分の意思で身体を動かすことが困難になっていく病。
手足のほか、進行すると話す、食べることも、呼吸することもできなくなるそうです。そんな男性の元を訪れた際の“第一声”が…。口説き文句と言いますか、意表を突くユーモアある一言でしたからね。女性は、思わずクスッと笑ってしまい、勇気付けられたそうです。
「きれい」
これは健常者が言えば、何のひねりもないストレートな女性に対する誉め言葉ですよね。だけど、発話も身体を動かすことさえ困難な人から発せられると、重みを増します。他にも、女性は、寝たきりの年輩女性の訪問看護に訪れた際。「元気ですか?」と尋ねられることがあるそうです。
人から発せられる言葉には、人を元気付ける、勇気付ける、生きる力を与える力があります。自分の言葉で、人が心地好い気分になってくれた、感謝された、笑顔になってくれた時。発言した側の清々して気持ちになりますからね。
人が持つ“資源”について考える時。
知力や体力、財力、年齢など、実用的に役に立つものに捉えわれています。なので、自分・相手して“心”に目を向けてみましょう。その域により「存在意義」が違ったものになってくると思いますよ。