人を動かす「好き」の魔力
ご近所トラブルの定番にあるのが「野良猫」の問題です。
近隣女性「ちょっと猫に餌をあげないでくれる!」
猫好女性「あなたに迷惑かけてないじゃないの!」
近隣女性「鳴き声はうるさいし、道の糞の始末も大変なのよ」
猫好女性「うるさくないわよ!ここはあなたの道じゃないでしょ!」
そんな互いの押し問答は、猫好き女性が餌をやる度に勃発します。毎回の衝突が同じですから双方納得の解決って難しいですよね。
猫が「可哀想」と感じる猫好き女性。
猫の鳴き声や糞にうんざりの近隣女性、どちらも自分の中に“正しさ”を持っています。意見を譲る・譲らない、ではなくて、これらのトラブルが発展すると「猫」ではなく、互いの存在が「嫌い」となっています。こうしたトラブルの解決を難しくしている原因です。
女性に多いのですが、自分の中にある“正しさ”を貫こうとする時。理屈よりも感情が先立って相手に意見をぶつけてしまうのではないでしょうか。すると意見をぶつけられた側にとっては、「文句を言われた」「傷つけられた」こう感じて敵対心が芽生え、論点よりも相手を言い負かすことが論争の目的となってしまうことがあります。
こういった「嫌い」の感情に端を発する人同士のトラブルを解決するには、どうすればよいのでしょう?そもそも、理論的な思考の持ち主でもない限り、「嫌い」な人の意見を聞きたいとは思いません。逆にですが、「好き」な人であれば、多少意見が合わないことでも聞き入れることは可能です。
冒頭の猫の件ですと、近隣女性はの場合。猫好き女性に言うことを聞いてもらうには、最初に好かれることから始めると良かったのかも知れません。
例えばですね。
「猫って可哀想ですよね」
「優しいんですね」
こうやって、猫好き女性への共感や理解を示した会話を作り上げる。
それから本題です。自宅保護や保護施設収容の提案、自治体と去勢手術などの対応を協議する。この流れで具体的な解決策の提示が望ましいと思われます。意見するというより、問題解決のために寄り添うといったイメージでしょうか。
ただ、すでに嫌われている人を動かすには?トラブル後のケースでは、相手側が「好き」の好意から意見を聞ける人を間に挟むと良いでしょう。
妻から嫌われてしまった夫の場合。何らかの意図通りに妻を動かしたい時はですね。ママ友達のリーダー格、妻の両親や姉妹を間に挟んだり、妻に影響力のある人の意見として伝えること。これだと夫からの意見よりも、聞き入れる可能性はUPします。
意見の衝突で押し問答や堂々巡りを繰り返せば、お互いの「嫌い」な思いが募るだけです。問題解決は遠退くばかり。
まずは「好き」という方向に相手の気持ちを向けていく取り組みが欠かせないでしょう。