モテるメリットには、デメリットも伴っている理論

 勝てる恋愛テク

「ミーン、ミーン」
「ミーン、ミーン」

セミが至るところで鳴き始め、夏本番という感じになってきましたね。炎天下の外回り、寝苦しい夜だと…。セミのせわしない鳴き声が暑さや「イライラ」に拍車をかけるのではないでしょうか。

セミはなぜあれほど連日連夜鳴き続けるのでしょうか?
鳴くのは、オスだけでメスは鳴きません。つまりオスはメスを惹き付けるためには鳴いている。鳴き声は大きいほどメスを惹き付けられる、すなわち“モテる”となりそうですね。

セミ以外で鳴く動物と言えば、鳥がいますね。ウグイスなどのオスは求愛や縄張り意識でメスを呼び寄せたり、他のオスを威嚇するために鳴くようですよ。ある種の鳥では、鳴き声が上手=モテる、ということにもなりそうですね。

人では、どうでしょうか。
セミや鳥のように鳴き声ならぬ歌声が男女ともモテの要素になる場合がありますよね。上手に歌えるに越したことはありませんが、声色の良さのほか、面白い話、ためになる話、口説き話ができる人がモテる場合もあります。ですが一方で、お喋り好きよりも、寡黙だったり、大人しい人だったりが好みの方もいらっしゃるでしょう。極端ですが、ヘッドホンで爆音で聴くのを好む人、静かなバラードを好む人、人によって違います。

“声”や“会話”に限らず、香水の匂いが好きな人、体臭が好きな人、はたまた、マッチョ好き、細身好き、ぽっちゃり好き、グラマー好き、支配するS(サゾ・支配されたい)M(マゾ)が好き、など人の異性に対する好みは動物に比べ多様です。人のモテる定義を強いて言うのであれば、相手の好みの異性のタイプを自分に当てはめられる人ではないでしょうか。では、好きなタイプがわかったら、それに関する能力、魅力を高めればモテる、恋愛の勝者になれるのでしょうか。

人を含む動物の世界ではハンディキャップ理論というのがあります。例えば、オスとしての能力の高ければ高いほど、ハンデを負う。また能力が低ければ低いほど逆に有利に働く面もある、ということです。セミで例えるとですね。ミーンミーンと鳴き声が大きいほどメスだけでなく、鳥などのセミを補食する天敵を呼び寄せます。鳥は縄張りを広く持てば持つほどライバル(恋敵の数)も増えます。

人でも同じですよね。
“モテすぎる”もしくはある特定の能力に秀ですぎている場合。「過ぎたるは猶(なお)及ばざるが如し」(孔子『論語』より)で、幅広い意味でハンデ(デメリット)になります。トークが上手な人も同じで、たまに話を聞く分にはいいけど、毎日はうんざり。こんな感じで、セミの鳴き声のようにうるさく感じるケースもあるでしょう。

● 中国の儒教家、孔子さんの言葉
「中庸(ちゅうよう)の徳たるや、それ至れるかな」という言葉があります。中庸の解釈は、偏ることのない「中」の道、つまり例え人より優れた部分があった(モテた)としても、自分の能力を過大評価しない。おごり高ぶったり、人を蔑んだり、道徳を外れない生き方で、過信と臆病の中間の心境とでも言いましょうか。恋愛も人生もさまざまなバランスが大事ということになりそうですね。この夏は、セミの鳴き声を聞くと「ハンディキャップ理論」を思い出してみましょう。あなた流のバランスとは何なのか、を考えてみるのも、風流な過ごし方だと思いますよ。

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