「明日から急激に変わって」は無理なお願いです
大好きな恋人と、毎日のように会うか、電話で話をしていたとします。
ところが、何らか外部からの圧力により、恋人とは一切会うことも連絡をとることも許されなくなった場合。、あなたなら果たして耐えられるでしょうか?会いたくて、せめて声だけでも聞きたくて。そんな思いが溢れるように込み上げていてもたってもいられず、思わず恋人のもとに駆け出してしまう、もしくは泣き叫ばずにはいられないのではないでしょうか。
極端な例かも知れませんが、毎日の習慣形成には、心惹かれるものが大きく関係していますので、急にその習慣を絶ってしまうことがあれば当然禁断症状が現れるでしょう。また、恋人が太り過ぎだから明日から毎日1時間のランニングをするようにと命じたとして、今まで全く運動をしていなかったのにできるようになるでしょうか。これもよほど屈強な精神や決意の持ち主でもない限り難しいでしょう。
ここで何が言いたいのかと言いますと、「明日から変われ」と言われてそう簡単に変われる人物はいないということです。よくあるカップルのトラブルを見てみますと、女性が男性に求めることが多いのが、酒・タバコ、ギャンブル、女(浮気や風俗)の禁止です。また、逆に男性が女性に抱える不満については、料理の味付けとメニュー、洗濯・掃除などの家事スキル、夜の営みの物足りなさなどでしょう。
ある日、カップルの一方がいずれかのような不満を口にしたとして、果たしてもう一方は次の日から考えを改め、恋人の思うような行動をとれるでしょうか。これは、冒頭の例の如く無理と思います。同じ環境で、習慣だけを急激に変えようとすると、そこに無理が生じ、結局ストレスの種になり、リバウンドではありませんが、さらなる問題行動の引き金になる場合があります。ストーカーも、会うのもダメ、電話にも応じない、住所も眩ましたとなれば逆上して新住所を探し出して押し掛けてくることがありますよね。つまり、人に対しては急激な変化を求めてはいけない、ということが言えると思います。
では、人に変化を求める際は、どのようにすればよいのか、と言いますと、急激な変化はダメだけれども、小さな変化なら受け入れやすいということです。例えば、恋人にダイエットさせたい場合は、毎朝30分早く起きさせることからはじめ、ストレッチ→10分間のウォーキング→10分間のランニングというように、徐々に負荷の大きいものに変化させていくのが理想でしょう。
ストーカーやDVへの対応も同様です。週の合う回数を減らす→直接会わないようにして電話対応に切り替える→電話の回数も減らしていく、としたほうが相手としても自然に心の整理ができてくるのではないでしょうか。恋人に一刻も早く変わってもらいたい気持ちはわかりますが、ポイントは焦らずゆっくりと少しずつです。
(記事:スタッフ)