恋人に信頼と期待を掛け、関係や能力を成長させる
■ 営業やマーケティング
できるだけ多くの人に、できるだけ広い人間関係で、というのが一般的な考え方なのかも知れませんね。対象見込み客に対し一軒一軒当たることをローラー作戦(全顧客営業)と言われ、人間関係や対象者が多ければ多いほど、営業も成立しやすいという見方なのだと思います。
例えば、仕事や生活、家庭に関する問題を解決しようとする時も、このローラー作戦、一軒一軒全ての対象者を比較し、条件を吟味してから最も理想と思われる人や業者に問題解決を依頼するという手法は、誰でも1度は経験があるのではないでしょうか。仕事や家事におきましても、幅広い人間関係の中から人それぞれの得意、不得意をこれまでの実績から判断し、最も問題を迅速かつ合理的に解決できる人物を選出したことに心当たりがあるでしょう。
このローラー作戦的な考え方は、一見すると問題解決法の王道のように思われがちです。
ただ、ここでご紹介したいのは、これと正反対の方法でうまくいっている人もいるということです。ある大阪南部で不動産売買(業者間取引)を営む社長は、買い付け、販売ともに決まった数社としか取引しないと言います。ネットで幅広く売買を募ることもなければ、なかなか売れなかったとしても、他の不動産業者に依頼することもないそうです。
その理由は、多くの業者と付き合ってしまう(買い付けや販売を委託してしまう)と、営業担当者のモチベーションが低下し、結局、買付価格の上昇や売価の低下に繋がってしまうとのことです。営業担当者のモチベーションは「自分に全信頼を置いてもらっている」という信頼や恩義で、桁違いに高くなると言います。
恋人関係でも、たとえ料理や家事など恋人が苦手と思えることでも、「あなたならできる」「きっとうまくいく」「あなたがいないとダメなんだ」と全信頼を掛けることで、「この人が頼れるのは自分しかいない」という思いを募らせ、期待以上の結果を生んでくれることがあります。
また、その時は期待に応えられなかったとしても、何度も信頼と期待を掛ければその都度、努力し成長していきますので、やがては人よりもうまくできるようになることもあるのではないでしょうか。ですが、「あなたはダメだから他の人に頼む」と言われれば、「自分は必要とされていない」「信頼されていない」「ダメな人間」と思い込み、存在価値を感じれなくなってしまうでしょう。
日々の生活や仕事で何か問題にぶつかった時、本当に今の身近な人間関係では全く解決の糸口もみつからないのでしょうか。人の可能性を信じ、期待と信頼を置くことで、期待を上回るパワーや結果を生むこともあるということでしょう。
(記事:スタッフ)