恋愛評価で結果至上主義を採用することの弊害
学校や資格の試験に臨む時。
「まずは全問に目を通し、難しい問題は後回しにし、確実に解ける問題から取り組みなさい」という指導を受けたことが、誰でも1度はあるでしょう。
試験の点数が、自身の評価に直結するため、この指針は間違ってはいないのですが、対人関係や人生の全てにおいて効率やその時々の合計点を重視してしまうと、厄介な問題は後回しにしてしまい、それがずっと足を引っ張ることで、点数(結果や利益)が伸び悩むという事態もあるのではないでしょうか。
例えば、家庭や企業では、月収や年収、月や年の売上高が人物の評価の対象になります。たくさんお金を稼ぐ、売上げを上げれば「よくやった!」、その逆だと「何をやってるんだ!」となりがちでしょう。こういった評価の仕方は、しばしば結果至上主義と言われ、学校生活や企業をはじめ、恋愛、対人関係でも深く浸透しています。
そういった風潮の中で、目先の金銭や地位、振る舞いなど恋人がすぐに望むものに焦点を当てて行動している方が多いのではないか、とも思います。
例えば、新型コロナの影響で失業してしまったり、収入が減ってしまったりした際には、収入や地位という“点数”が落ちてしまうことを危惧し、焦って職探しをするケースも見受けられます。ですが、すぐに、そして比較的誰にでもできる仕事で点数を稼いだところで、冒頭の試験の話ではありませんが、確実にできる問題を解いて点数を稼いでいるに過ぎない、と言えるのかも知れません。
もっと言いますと、今、恋人の要望に応えられることを確実にこなそうとされる方がいらっしゃいますが、将来の大幅な加点を得るためには、今できないことにいつかは挑まなければならず、それはできるだけ早いほうがよいのではないか、ということです。
仮にですが、恋人は知力や体力があり、幅広い生活の知識に精通していたほうが頼りがいがありますよね。ですが、こうした新たな問題解決能力を得ようとする時、新たな習慣形成や時間配分が必要なわけでして、一時的に今まで得られていた利益を失ってしまう場合があります。
この失点に対して、結果をそのまま受け入れるのか、それとも、新たなステップアップのためで仕方がないと理解するのかで人や自分への評価は分かれるでしょう。ただ言えることは、平均点など一定の点数が続くことは、高評価を得られるというよりは、むしろマンネリ化、もしくは低位安定の側面が強くなるのではないか、ということです。
飛躍・発展やマンネリ打破のためには、簡単に得られる点数を犠牲にしてでも、難問に挑まなければならない局面もあるということでしょう。
(記事:スタッフ)